ITエンジニアが仕事に対して思うこと

ITエンジニアとして働く中で感じたことを、現場の温度感そのままに言語化するブログです。設計・実装・運用のリアル、学び続ける負荷、品質とスピードのせめぎ合い、コミュニケーションの難しさなど、きれいごとだけでは語れない「仕事の実態」を整理します。誰かを責めるのではなく、なぜそうなるのかを構造で捉え、明日から少し楽に、少し強く働ける視点を提供します。新人から中堅、マネジメントまで参考に。

【採用の裏側】「分からない」と正直に言える強さ。非常識な行動に隠された「希少な資質」

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面接で「非常識」に見える行動が出たとき、試されるのは候補者よりも面接官の力量です。見た目の違和感やマナーの欠落は、たしかにリスクに映ります。しかし採用の本質は、短時間の観察から「入社後に成果へつながる再現性」を推定すること。だからこそ、表面の整い方だけで判断すると、現場で伸びる人材を取り逃がしやすくなります🙂

今回の動画では、素足サンダルのような一見アウト寄りのエピソードを題材に、「非常識=即不採用」と決めつける前に見るべきポイントを整理します。重要なのは、行動そのものではなく、行動の背後にある思考と態度です。自分がズレて見えることを自覚しているか、分からないことを分からないと言えるか、指摘を受けたときに言い訳で塗りつぶさず、事実として説明できるか。ここには、職場での学習速度や改善可能性がにじみます🧠

多くの“常識人”は面接で正解ムーブを演じます。受け答えは無難で、空気も読めて、雰囲気も良い。けれど入社後、仕事の作法や優先順位、報連相、期限感といった実務の文脈でズレが出ることがあります。理由は簡単で、面接の場は「演技が成立する環境」だからです。求められている姿を察して合わせる能力が高い人ほど、面接の合格点を取りやすい。一方で、現場が求めるのは、分からないことを握りつぶさずに確認し、間違いを早く認めて修正し、周囲の信頼を積み上げる運用力です。ここが噛み合わないと、最初は優等生に見えても、徐々にチームの負担が増えます。

逆に、最初から取り繕わずに事実を出してくるタイプは、面接では損をします。見た目の違和感が強いほど、評価者の先入観を刺激するからです。ただし、このタイプには「ズレを直す前提で来ている」という強みがある場合があります。雑さはあるが、場を壊す意図はない。知らなかったことは学ぶ。指摘されたら受け止める。こうした姿勢は、現場での修正コストを大きく下げます。靴下をポケットに入れていた、という小さな手掛かりは、まさにその“意図の有無”を読む材料になります。完璧ではないが、相手を不快にさせるためにやっているわけではない。ここを読み取れる面接官は、候補者の将来価値を具体的に想像できます。

とはいえ、何でもかんでも「伸び代」で片づけるのは危険です。採用判断で押さえるべきは、改善可能な習慣と、改善しにくい価値観の線引きです。マナーや服装は学習で補えることが多い一方、誠実さの欠如、責任回避、他責思考、嘘、周囲を軽んじる態度は、入社後に修正が難しい。動画では、面接官がその線引きを行うための質問設計や観察の観点も紹介します。候補者を追い込むためではなく、現場で一緒に働くイメージを確かめるための問いに落とし込むことがポイントです。

採用は、能力の見極めであると同時に、運用の設計です。どんな人を採るかだけでなく、どう受け入れ、どう育て、どう評価するかがセットで機能して初めて成果につながります。だから面接官には、候補者の現在地だけでなく、組織側の受け皿の現実も直視する必要があります。人が足りないから妥協するのではなく、採用後に起きる問題を予見し、必要な条件や支援を準備する。ここまで含めて「面接官の力量」です🍵

この動画が役立つのは、採用担当者や面接官だけではありません。転職活動中の方にとっても、面接は「自分を良く見せる場」である以前に、「相性と期待値を擦り合わせる場」だと理解すると、戦略が変わります。取り繕い続けるより、直すべき点を把握し、改善の筋道を示せる人の方が、長期的に評価されやすい。自分の弱点を隠すのではなく、弱点を管理できることを示す。これが、信頼の作り方です。

ここで一つ強調したいのは、面接の評価は「好き嫌い」や「違和感の強弱」ではなく、観察した事実をどう解釈し、どのリスクを許容し、どの条件を付けて採用するかという意思決定だという点です。例えば、身だしなみが崩れている事実から直ちに「ルーズな人」と決めるのではなく、「準備不足」「優先順位の誤り」「緊張で判断が乱れている」「そもそも常識の定義が違う」など複数の仮説を持ち、追加質問で切り分けます。切り分けができれば、採るか採らないかだけでなく、採るならどんなオンボーディングが必要かまで設計できます。これは採用の精度を上げるだけでなく、入社後のミスマッチ損失を下げる実務的な技術です。

実際に切り分けに効くのは、「状況」「意図」「次回の行動」を順に確認する質問です。何が起きていたのか、そのとき何を優先したのか、今振り返ってどう判断するのか、次はどう改善するのか。ここで自己正当化が強く出たり、相手や環境のせいに終始したり、改善の具体が出てこない場合は、表面のマナー以上に危険信号になります。逆に、事実を短く説明し、迷惑になり得る点を理解し、次の手当てまで語れるなら、修正可能性は高い。面接官が見るべきなのは、その人の“現在の完成度”ではなく、“自己修正の仕組み”です。

また、候補者のズレを面白がるだけでは不十分で、職種と配置によって許容範囲が変わる点も重要です。顧客対応が多い職種では第一印象の影響が大きく、一定の作法は必須になります。一方、社内向けの専門職や、成果物で評価される領域では、多少の不器用さよりも、学習速度や誠実さの方が支配的に効くことがあります。つまり、同じエピソードでも、採用すべきかは組織の文脈で変わる。だからこそ面接官には、候補者の評価と同時に、自社の仕事の実態を言語化する力が求められます。

さらに、採用後の運用で現実的に効くのは、最初の期待値設定です。どこまでが許容で、どこからが改善必須なのか、いつまでに何をできるようにするのか。これを曖昧にしたまま採用すると、最初は笑って見過ごしていたズレが、後から不満として噴き出します。反対に、採用時点で合意を作れていれば、ズレはトラブルではなく改善タスクになります。面接は選別であると同時に、契約の場でもある。ここを理解すると、採用はもっと安定して回ります。

本編では、こうした視点を踏まえながら、違和感が出た瞬間に面接官が取るべき行動、判断材料の集め方、そして採用後に伸ばすための考え方まで、できるだけ具体に落とし込みます。面接で迷ったときの一つの基準として、明日からの採用に活用してください。

もしあなたが面接官側なら、違和感を覚えた瞬間こそ、評価を止めて観察に戻るタイミングです。即断ではなく、仮説を立て、問いで検証し、採用するなら条件を設計する。候補者を裁くのではなく、チームの成果を最大化する判断として面接を捉え直しましょう。採用に正解はありませんが、判断の質は上げられます。動画が、あなたの面接の「見立て」を一段クリアにするきっかけになれば幸いです。よければ高評価とチャンネル登録もお願いします。次回の更新もお楽しみに