以下に、ベイジアンフィルタリング、送信元ドメイン認証、SPF、DKIM、およびDMARCについて、それぞれ簡単に説明します。
ベイジアンフィルタリング
ベイジアンフィルタリングは、スパムメールを識別するための技術です。これは、ベイズの定理に基づいています。ベイジアンフィルタリングは、メールの内容を分析し、過去にスパムとして分類されたメールとの類似性を評価します。具体的には、以下のステップで行われます。
- トレーニングデータの収集: スパムと正常なメールを収集し、それぞれの特徴を学習します。
- 単語の確率を計算: 特定の単語がスパムメールと正常メールにどのくらい出現するかを基に、確率を計算します。
- 新しいメールの分類: 新しく受信したメールに含まれる単語の確率をもとに、そのメールがスパムか正常かを判断します。
送信元ドメイン認証
送信元ドメイン認証は、メールの送信元ドメインがそのメールを本当に送信したドメインであるかを確認するための方法です。これにより、スパムやフィッシング攻撃のリスクを減らします。主に以下の3つの技術が使用されます。
SPF(Sender Policy Framework)
- SPFは、特定のドメインからのメールを許可されたサーバーのリストを提供します。受信側は、送信元のIPアドレスがそのドメインの許可リストに含まれているかどうかを確認します。
- 例: example.comというドメインがあり、メールを送信できるサーバーのIPアドレスが指定されている場合、受信側のサーバーはそのIPアドレスが許可されているかをチェックします。
DKIM(DomainKeys Identified Mail)
- DKIMは、メールにデジタル署名を追加することによって、送信者のドメインを認証します。受信側はこの署名を検証することで、メールが改ざんされていないか確認します。
- 例: 送信者のサーバーがメールを送信する際、秘密鍵を使ってメールに署名します。受信者は公開鍵を使ってその署名を確認します。
DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance)
- DMARCは、SPFやDKIMと連携して、メールの認証結果を基に、どのように処理すべきかを指示します。DMARCポリシーを設定することで、受信側はスパムと判定されたメールに対してどのように対応するかを決定できます。
- 例: DMARCポリシーに基づいて、認証に失敗したメールは「拒否」または「隔離」するように指示します。
まとめ
- ベイジアンフィルタリングは、メールの内容に基づいてスパムを検出する技術であり、過去のデータを学習して確率的に判断します。
- 送信元ドメイン認証は、メールが本当にそのドメインから送信されたかを確認する方法で、SPF、DKIM、DMARCの3つの技術が関連しています。
これらの技術を組み合わせることで、メールのセキュリティを高め、スパムやフィッシング攻撃のリスクを減少させることができます。