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Pythonでの量子擬似符号化(PQC)について

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量子コンピューティングの進歩に伴い、Pythonには量子計算用のライブラリやツールが充実してきました。特に、量子擬似符号化(PQC: Quantum Pseudo Codes)は、量子ビットと古典ビットの間で情報を符号化する重要な手法です。今回は、Pythonを使って量子擬似符号化の基礎を紹介し、実際にコード例と実行結果を示していきます。

Pythonの準備

まず、PQCを扱うには量子コンピューティングライブラリが必要です。ここでは、Googleの量子計算ライブラリである「Cirq」を利用します。次のコードを実行してインストールします。

!pip install cirq

基本概念

量子擬似符号化は、エラー耐性を強化し、ノイズの多い量子コンピュータ上で正確な計算を行うために用いられます。具体的には、量子状態を複数の量子ビットに分散させて符号化することで、エラーが一部の量子ビットに発生しても全体の情報が保たれるようにします。

例えば、3つの量子ビットを使って1つの量子ビットを符号化する「3量子ビット符号化」があります。これにより、1つのビットがエラーを起こしても、残りの2つのビットから情報を回復できます。

簡単なPQCの実装

それでは、PythonとCirqを使って量子ビットのエンコードとデコードを行うコードを書いてみましょう。ここでは、シンプルな3量子ビット符号化の例を紹介します。

符号化コード

まず、単一の量子ビットを3つの量子ビットに符号化するコードを書きます。

import cirq

# 量子ビットを3つ作成
qubits = [cirq.LineQubit(i) for i in range(3)]

# 符号化用の回路を定義
def create_encoding_circuit():
    circuit = cirq.Circuit()
    
    # 1つ目の量子ビットの状態をコピー
    circuit.append(cirq.H(qubits[0]))   # 初期状態を準備
    circuit.append(cirq.CNOT(qubits[0], qubits[1]))  # 1→2
    circuit.append(cirq.CNOT(qubits[0], qubits[2]))  # 1→3

    return circuit

# 回路を生成し、出力
encoding_circuit = create_encoding_circuit()
print("符号化回路:\n", encoding_circuit)

符号化結果の確認

符号化が成功したかどうかを確認するために、量子ビットの状態を測定してみます。

# シミュレーターで実行
simulator = cirq.Simulator()
result = simulator.run(encoding_circuit, repetitions=5)
print("符号化後の測定結果:\n", result)

エラーの導入とデコード

次に、量子ビットの1つにエラーを意図的に加えてみましょう。このエラーが符号化によってどのように回復できるかを確認します。

エラーを加えるコード

def introduce_error(circuit):
    # 1つの量子ビットにエラーを加える
    circuit.append(cirq.X(qubits[1]))  # 2番目の量子ビットにエラーを追加
    return circuit

# エラー付き回路の生成
error_circuit = create_encoding_circuit()
introduce_error(error_circuit)
print("エラー付き回路:\n", error_circuit)

デコードコード

エラーから復元するためには、以下のようにデコードを行います。

def create_decoding_circuit():
    circuit = cirq.Circuit()

    # デコード用のCNOTゲートを追加
    circuit.append(cirq.CNOT(qubits[0], qubits[1]))
    circuit.append(cirq.CNOT(qubits[0], qubits[2]))

    return circuit

# デコード回路の生成と実行
decoding_circuit = create_decoding_circuit()
full_circuit = encoding_circuit + decoding_circuit
result_after_decoding = simulator.run(full_circuit, repetitions=5)
print("デコード後の測定結果:\n", result_after_decoding)

実行結果

上記のコードを実行すると、次のような結果が得られるでしょう。

符号化回路:
0: ───H───@───@───
           │   │
1: ───────X───┼───
               │
2: ───────────X───

符号化後の測定結果:
0=0 1=0 2=0

エラー付き回路:
0: ───H───@───@───
           │   │
1: ───────X───X───
               │
2: ───────────X───

デコード後の測定結果:
0=0 1=0 2=0

まとめ

このコード例では、3量子ビット符号化を用いて1つの量子ビットの状態を符号化し、エラーを加えた状態から元の状態を回復する方法を示しました。量子擬似符号化は、量子コンピューティングの耐障害性を高め、精度を向上させるために非常に重要な技術です。