こんにちは!システムエンジニアでブロガーの私です。Pythonでデータ分析をしていると、きっと皆さんもPandasをよく使うと思います。でも、バージョンアップすると、いつも使っていた関数の挙動が変わってしまって困ることがありますよね。今日は、特にPandasを1系から2系にアップデートしたときのapply
関数の挙動の違いについて、初心者にもわかるように解説していきます。高校生でも理解できる内容なので、ぜひ最後まで読んでくださいね!
Pandas 1系と2系の違いとは?
Pandasはデータ操作の定番ライブラリですが、1系から2系にバージョンアップすると、apply
関数の動作が少し変わりました。apply
は、DataFrameやSeriesに対して関数を適用するのに便利なメソッドですが、2系では内部処理が最適化され、速度や動作が改善されています。ですが、この変更が原因で、一部のコードが動かなくなったり、結果が予想と異なることがあるんです。
なぜバージョンアップが重要なのか?
Pandasの新しいバージョンは、多くのバグ修正やパフォーマンス向上が施されています。2系は、特に大規模データセットを扱う際の処理速度が向上していますが、既存のコードをそのまま使用すると問題が発生することも。では、具体的にどんな変化があったのか見ていきましょう!
1. Pandasのインストールとバージョン確認
まずは、Pandasのバージョンを確認しましょう。以下のコマンドを使えば、現在インストールされているPandasのバージョンを確認できます。
import pandas as pd print(pd.__version__)
1系のときは1.x.x
のように表示され、2系なら2.x.x
と表示されます。バージョンアップするには、以下のコマンドを実行してください。
pip install pandas --upgrade
2. apply
関数の基本的な使い方
Pandasのapply
関数は、DataFrameの各行や各列に対して関数を適用するために使います。まずは、1系と2系の両方で動作する基本的なコードを見てみましょう。
import pandas as pd # サンプルデータフレームの作成 df = pd.DataFrame({ 'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6] }) # 各行に対して、AとBを合計する関数を適用 df['sum'] = df.apply(lambda row: row['A'] + row['B'], axis=1) print(df)
このコードは、1系と2系の両方で正常に動作します。結果は次の通りです。
実行結果
A B sum 0 1 4 5 1 2 5 7 2 3 6 9
解説
apply
関数にaxis=1
を指定することで、DataFrameの各行に対して関数を適用しています。この場合、各行のA
列とB
列を足し合わせています。
3. 1系から2系での変更点:applyのパフォーマンス改善
Pandas 2系では、apply
関数の処理速度が大幅に改善されました。特に、関数のベクトル化が可能な場合、自動的に最適化がかかるようになりました。これにより、速度が上がるケースが増えましたが、逆に動作が変わる場合があります。
変更点1: 関数の適用方法の自動最適化
例えば、次のようにapply
を使うと、2系では内部的にベクトル化を行い、パフォーマンスを向上させることがあります。
# 各行に対して定数を足す関数を適用 df['sum_2'] = df['A'].apply(lambda x: x + 10) print(df)
このコードは、1系でも2系でも動作しますが、2系では内部でベクトル化が適用され、処理速度が速くなる場合があります。
実行結果
A B sum sum_2 0 1 4 5 11 1 2 5 7 12 2 3 6 9 13
注意点
高速化が嬉しい反面、apply
の中で複雑な処理を行っていると、2系ではベクトル化がうまくいかず、意図しない挙動をすることがあります。そのため、2系にアップグレードした後は、特に注意して動作確認を行う必要があります。
4. 変更点2: エラー処理の強化
Pandas 2系では、apply
の中でエラーが発生したときの動作も改善されています。1系では、エラーが起きても無視される場合がありましたが、2系では明確にエラーが表示されるようになりました。
例: エラーが発生するケース
以下のコードでは、文字列データが混在しているため、apply
の中でエラーが発生します。
# 不正なデータを含むDataFrame df = pd.DataFrame({ 'A': [1, 2, 'three'], 'B': [4, 5, 6] }) # 各行に対してAとBを合計する関数を適用 try: df['sum'] = df.apply(lambda row: row['A'] + row['B'], axis=1) except Exception as e: print(f"エラーが発生しました: {e}")
実行結果(2系)
エラーが発生しました: can only concatenate str (not "int") to str
解説
Pandas 2系では、エラー内容が明確に表示され、どこで問題が起きたのかがわかりやすくなっています。1系では無視されていたエラーが、2系ではしっかりとキャッチされるため、デバッグがしやすくなりました。
5. まとめ: Pandas 1系から2系への移行ポイント
Pandasを1系から2系にアップグレードすると、apply
関数の挙動にいくつかの違いが現れますが、基本的にはパフォーマンスの向上やエラー処理の改善が見られます。ただし、一部のコードでは動作が変わる可能性があるため、特に複雑な処理をapply
の中で行っている場合は、動作確認を徹底しましょう。
バージョンアップ時のポイント
apply
のベクトル化によるパフォーマンス向上に期待できる- エラー処理が明確になり、デバッグがしやすくなる
- 既存コードの動作確認は必須
次回のテーマ
次回は「Pandas 2系の新機能を使いこなそう!データフレームの操作がもっと便利に!」をお届けします。お楽しみに!またね!