Pythonのint(), float(), complex()関数: 数値型の変換と生成
Pythonにおいて、int()
、float()
、complex()
という組み込み関数は、それぞれ整数型、浮動小数点数型、複素数型への変換や生成を行います。これらの関数は数値データ型を柔軟に操作するための重要なツールであり、この記事ではそれぞれの関数について具体的な例を交えながら詳しく解説します。
int()
関数: 文字列や浮動小数点数から整数への変換
int()
関数は、文字列や浮動小数点数を整数に変換するために使用されます。基本的な使い方は以下の通りです。
# 文字列から整数への変換 int_value = int("42") print(int_value) # 出力: 42 # 浮動小数点数から整数への変換(切り捨て) float_value = 3.14 int_from_float = int(float_value) print(int_from_float) # 出力: 3
int()
関数は文字列を整数に変換する際、文字列が整数を表している必要があります。また、浮動小数点数から整数への変換では小数点以下は切り捨てられます。
float()
関数: 文字列や整数から浮動小数点数への変換
float()
関数は、文字列や整数を浮動小数点数に変換するために使用されます。以下は基本的な例です。
# 文字列から浮動小数点数への変換 float_value = float("3.14") print(float_value) # 出力: 3.14 # 整数から浮動小数点数への変換 float_from_int = float(42) print(float_from_int) # 出力: 42.0
float()
関数は文字列や整数を浮動小数点数に変換します。特に注意すべきなのは、文字列が数値を表している必要がある点です。
complex()
関数: 実部と虚部を指定して複素数を生成
complex()
関数は、実部と虚部を指定して複素数を生成します。以下は基本的な使い方です。
# 実部と虚部を指定して複素数を生成 complex_num = complex(2, 3) print(complex_num) # 出力: (2+3j)
このように、complex()
関数は実部と虚部を引数として複素数を生成します。実部と虚部は整数や浮動小数点数で指定できます。
数値型変換の注意点
これらの関数を使って数値型を変換する際には、いくつかの注意点があります。
浮動小数点数から整数への変換時の注意
浮動小数点数から整数への変換では小数点以下が切り捨てられるため、情報が失われる可能性があります。そのため、変換前に情報が失われても問題ないかどうかを考慮する必要があります。
float_value = 3.99 int_value = int(float_value) print(int_value) # 出力: 3
文字列から数値型への変換時の注意
int()
やfloat()
で文字列を数値型に変換する際、変換できる文字列である必要があり
ます。それ以外の文字列を変換しようとするとValueError
が発生します。
invalid_str = "Hello" # int(invalid_str) # エラー発生: ValueError
実部と虚部の指定時の注意
complex()
関数で複素数を生成する際に、実部や虚部に数値以外のものを指定するとTypeError
が発生します。
# complex("2", 3) # エラー発生: TypeError
まとめ
この記事では、Pythonのint()
、float()
、complex()
関数について詳しく解説しました。これらの関数は数値型の変換や生成に役立ち、プログラムで数値操作を行う際に頻繁に使用されます。注意点を押さえながら、柔軟かつ安全にこれらの関数を活用してください。