PythonとCOBOLの連携: レガシーコードとモダンプログラミングの融合
COBOLは、長い歴史を持つビジネスアプリケーション向けのプログラミング言語であり、多くの企業で広く使用されています。今回は、PythonとCOBOLを連携させ、モダンな開発環境と既存のCOBOLコードを組み合わせる方法について説明します。
PythonからCOBOLプログラムを呼び出す
まずは、PythonからCOBOLプログラムを呼び出す手法を見てみましょう。COBOLプログラムをコンパイルして実行可能な形式にし、Pythonのsubprocess
モジュールを使用して呼び出します。
COBOLプログラムの例 (hello.cbl)
IDENTIFICATION DIVISION. PROGRAM-ID. HelloProgram. PROCEDURE DIVISION. DISPLAY 'Hello from COBOL!'. STOP RUN.
このCOBOLプログラムをコンパイルして実行可能なファイルを生成します。
$ cobc -free -x -o hello hello.cbl
次に、PythonからこのCOBOLプログラムを呼び出します。
Pythonのコード
import subprocess # COBOLプログラムを実行する result = subprocess.run('./hello', capture_output=True, text=True) # 結果を表示 print('Result from COBOL program:', result.stdout.strip())
この例では、Pythonのsubprocess.run
を使用してCOBOLプログラムを呼び出しています。COBOLプログラムが"Hello from COBOL!"と表示されるはずです。
COBOLからPythonへのデータ受け渡し
次に、COBOLからPythonへデータを渡す手法を見てみましょう。COBOLプログラム内でファイルにデータを書き込み、Pythonからそのファイルを読み込む方法です。
COBOLプログラムの例 (write_data.cbl)
IDENTIFICATION DIVISION. PROGRAM-ID. WriteDataProgram. DATA DIVISION. FILE SECTION. FD OutputFile. 01 OutputData PIC X(50). WORKING-STORAGE SECTION. 01 DataToSend PIC X(50) VALUE 'Data from COBOL to Python.'. PROCEDURE DIVISION. OPEN OUTPUT OutputFile. MOVE DataToSend TO OutputData. WRITE OutputData. CLOSE OutputFile. STOP RUN.
このCOBOLプログラムをコンパイルして実行可能なファイルを生成します。
$ cobc -free -x -o write_data write_data.cbl
次に、PythonからこのCOBOLプログラムを呼び出し、COBOLから書き込まれたデータを読み込みます。
Pythonのコード
import subprocess # COBOLプログラムを実行してデータを書き込む subprocess.run('./write_data') # Pythonで書き込まれたデータを読み込む with open('output.txt', 'r') as file: data_from_cobol = file.read() # 結果を表示 print('Data from COBOL to Python:', data_from_cobol)
この例では、COBOLプログラムがファイルにデータを書き込み、Pythonがそのファイルを読み込んでいます。結果として、"Data from COBOL to Python."と表示されるはずです。
プロジェクトにおける利点と考慮事項
PythonとCOBOLの連携には、既存のCOBOLコードを再利用しながら、新しい機能や処理をPythonで実装するといった利点があります。ただし、データ型や文字エンコーディングの違いに注意が必要です。
まとめ
今回はPythonとCOBOLの連携について基本的な手法を紹介しました。COBOLのレガシーコードとPythonの柔軟性を組み合わせ、現代の開発においても有効に活用しましょう。プロジェクトによって適切な連携方法を選択し、効果的な開発を進めましょう。Happy Coding!