今回の動画では、令和5年度 春期 応用情報技術者試験 午後問2「経営戦略」を徹底的に解説します。問題の舞台となるのは、電子機器製造販売会社であるQ社です。市場競争が激化する環境の中で、どのように既存事業の強みを見直し、新たな価値提案によって差別化戦略を構築していくのかが問われた良問です。本問では、近年注目されるブルーオーシャン戦略をはじめ、バーコードラベルなど消耗品による収益確保モデル、戦略的撤退やリソース再配分といった経営戦略の根本が総合的に問われました。 本問題は正答率が比較的高めとされていますが、採点講評によると、設問文の読み取りにおいて「顧客の課題」と「自社の課題」を混同してしまう受験者が多く、設問1や設問2で失点する事例が多く見られました。午後の経営戦略問題では、単なる用語暗記ではなく、文章の背景にある事業構造や顧客価値を正しく読み取る力が重要となります。本動画では、問題文のどこを読み、どのように整理すれば「合格答案の思考プロセス」が自然に身につくのかを丁寧に解説します。 まず最初に注目すべきは、ブルーオーシャン戦略です。これは競争の激しいレッドオーシャンから脱し、競争が存在しない未開拓市場で価値を創造する戦略です。この戦略を成立させるためには、単に価格を下げるのではなく、差別化と低コスト化を両立することが求められます。本問では、Q社が競争の激しい市場において、新規事業の方向性を模索するために戦略キャンバスを活用する場面が描かれています。戦略キャンバスは、自社と競合の価値要素を一覧化し、強みと弱みを視覚的に把握するためのフレームワークであり、重点を置くべき領域を見極めるために有効です。本動画では、戦略キャンバスの読み取り方や、レッドオーシャンから抜け出すための発想法を詳しく解説しています。 次に、消耗品ビジネスモデルの理解が重要です。Q社はラベルプリンター本体を低価格で提供し、バーコードラベルといった消耗品で利益を生み出す収益構造を採用しています。これは、髭剃り本体を安価に販売し替刃で収益を得るジレットモデルなどと同様の仕組みであり、多くの企業が継続課金型のビジネスモデルとして導入しています。本問では、この収益構造を踏まえて、競争優位性をどう維持するかが問われました。消耗品ビジネスは顧客との接点を長期化し、スイッチングコストを高める効果があるため、競争戦略として極めて有効です。本動画では、Q社のビジネス構造と競争環境を整理しながら、試験で問われた思考の流れを再現します。 設問1では、顧客の課題と自社の課題を正確に切り分けられるかが得点の分かれ目となりました。問題文中のスーパーマーケットが抱える課題は「設定スキルの習得に人手を割くことができない」という点です。しかし、多くの受験者が「Q社の売上拡大の課題」や「顧客の要望」を答えてしまい失点したと講評で指摘されています。本動画では、問題文の中から顧客の真の課題を抽出する方法や、「事業者側の都合」と「顧客の不便さ」を分けて理解するコツを実例とともに紹介します。 また、設問2では、Q社が不採算となっているバーコードリーダー開発から撤退し、強みであるラベルプリンター開発にリソースを集中させるという戦略的撤退の考え方が問われました。限られた経営資源をどの事業に投下するのかは企業戦略の根幹であり、戦略的撤退は必ずしもネガティブな選択ではなく、集中と選択の中で自然に行われるプロセスです。本問はこの考え方を深く理解しているかが問われる問題であり、資源配分に関する重要な思考トレーニングとなります。 さらに、食品廃棄量削減という社会的課題に対応するため、適切な時間帯に値引きラベルを貼るための新機能が求められています。設問2(4)では、Q社が新たに追加すべき具体的な機能を述べる必要があり、単に現状分析を述べるだけでは得点になりません。この設問は、事実の読み取りと要件定義力を同時に試すものであり、情報システムにおける要件抽出の思考にも通じるものがあります。本動画では、どのデータを活用すべきか、問題文中のヒントをどうつなぎ合わせればよいのかを、初学者でも理解しやすいように丁寧に説明しています。 午後試験の経営戦略分野は、文章の背景を読み取り、事業の構造を理解した上で論理的に記述する力が求められます。専門用語をただ覚えるだけでは得点できず、事業者が置かれている状況や顧客価値、競争環境を総合的に分析する必要があります。本動画は問題文の背景を一つひとつ分解しながら、どのように解答を構築すればよいのかを体系的に学べる内容となっています。 試験対策としてはもちろん、実務で経営戦略に関わる方にとっても参考になる内容です。ブルーオーシャン戦略の考え方や消耗品ビジネスモデルの成り立ち、戦略的撤退の判断基準など、ビジネスの基礎として活用できる知識が詰まっています。ぜひ最後まで視聴し、午後試験で高得点を狙うための思考法を身につけてください。 出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)