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tRPCを使ったモノレポ(monorepo)プロジェクトでの動作が思うようにいかないとき、どのように解決していけばいいのか

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こんにちは、システムエンジニアの皆さん。今回は、tRPCを使ったモノレポ(monorepo)プロジェクトでの動作が思うようにいかないとき、どのように解決していけばいいのかを深掘りしていきたいと思います。tRPCは、APIをより型安全に、効率よく管理するためのツールですが、モノレポ環境ではその設定や依存関係の管理が少し複雑になりがちです。そのため、この記事では具体的なトラブルシューティングの方法をコード例と共に紹介します。

tRPCとモノレポの基礎

まず、tRPCとはTypeScriptを使ってAPIのクライアントとサーバーの型を自動的に同期するためのライブラリです。これにより、フロントエンドとバックエンドの間でのデータやエンドポイントのやり取りが非常に安全かつ効率的に行えます。

モノレポは、複数のプロジェクトを単一のリポジトリで管理する方式です。たとえば、バックエンドとフロントエンドを同じリポジトリ内で管理することで、依存関係の一元管理やコードの再利用が可能になります。

では、この二つを組み合わせるとどうなるのでしょうか?理論的には、型の共有が容易になるため、とても強力な組み合わせです。しかし、その分構成や依存関係の管理が重要になり、いくつかの典型的な問題が発生しがちです。

モノレポ環境での典型的なトラブルとその原因

モノレポ環境でtRPCを使用する際、以下のようなトラブルがよく報告されています:

  1. 依存関係の競合 tRPCのバージョンやTypeScriptのバージョンがプロジェクト内の他のパッケージと競合することがあります。モノレポ環境では、各プロジェクトが異なる依存関係を持つ可能性があるため、pnpmやyarn workspaceを使用して依存関係を適切に管理することが重要です。

  2. 型定義の同期問題 tRPCの型定義がクライアントとサーバー間で正しく同期されていない場合があります。これは、プロジェクトのビルド順序やキャッシュが原因で、クライアント側が古い型定義を参照してしまうことがあります。

  3. エラー時の詳細なログが見えない tRPCのエラーメッセージが抽象的な場合、何が間違っているのか特定が難しいことがあります。特に、モノレポでプロジェクトが複数の層に分かれていると、エラーログがどこから発生しているのか追跡するのが困難です。

解決方法: 依存関係の管理と設定の見直し

まず最初に、依存関係の問題を解決するために、pnpmやyarn workspaceを使って依存関係を整理しましょう。

ステップ1: 各パッケージの依存関係を正確に把握する

以下のように、各パッケージのpackage.jsonを確認し、tRPCやTypeScriptなどのバージョンが一致していることを確認します。

{
  "name": "backend",
  "version": "1.0.0",
  "dependencies": {
    "@trpc/server": "^9.0.0",
    "typescript": "^4.5.0"
  }
}

フロントエンド側も同様に確認します:

{
  "name": "frontend",
  "version": "1.0.0",
  "dependencies": {
    "@trpc/client": "^9.0.0",
    "typescript": "^4.5.0"
  }
}

依存関係のバージョンが一致していない場合、pnpmを使って修正します。

ステップ2: 型定義の共有

モノレポで型定義を共有するためには、TypeScriptのpathsオプションを活用します。これにより、型の同期が簡単になります。tsconfig.jsonで以下のように設定します:

{
  "compilerOptions": {
    "baseUrl": ".",
    "paths": {
      "@shared/*": ["./packages/shared/*"]
    }
  }
}

これにより、型定義を含む共有モジュールをプロジェクト間で簡単に参照できるようになります。

ステップ3: エラーログの詳細表示

tRPCでは、エラーログをもっと詳細に表示するために、エラーハンドリングをカスタマイズすることができます。createContextonErrorフックを活用して、ログを細かく取得しましょう。

import { initTRPC } from '@trpc/server';

const t = initTRPC.context().create();

const appRouter = t.router({
  getUser: t.procedure.query(() => {
    try {
      // エラーが発生する処理
    } catch (error) {
      console.error('An error occurred:', error);
      throw error;
    }
  })
});

このコードでは、エラーが発生した際にコンソールに詳細なエラーメッセージを出力することで、デバッグを容易にしています。

まとめ

tRPCをモノレポ環境で使用する際には、依存関係や型定義、エラーハンドリングに特に注意が必要です。これらのポイントを押さえておくことで、トラブルシューティングが格段に楽になります。モノレポのメリットを最大限に活かしながら、tRPCの型安全性をフル活用するためには、適切な設定と管理が不可欠です。

次回は、さらに詳細なトラブルシューティングや、テスト環境の構築についても触れていきたいと思います。ぜひ参考にして、tRPCとモノレポの連携をスムーズに進めてみてください!

この記事が少しでも役に立てば幸いです。それでは、また次回お会いしましょう!